ファクタリング乗り換え前チェックリスト|失敗しない事前確認6項目
ファクタリング会社を乗り換える前に確認すべき項目を、印刷して横に置けるチェックリスト形式でまとめました。現契約の解約条件、進行中取引の整理、二重譲渡の回避、乗り換え先の比較軸、書類準備、乗り換え後の手続きまでを網羅します。
この記事の執筆者
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監修ろいFP・宅地建物取引士・行政書士/ファクタリング比較ラボ主宰
ファクタリングを30社以上利用し、著書『ファクタリングのトリセツ』も出版した実務家が内容を確認しています。
乗り換えは「手順」より「事前確認」で決まる
ファクタリング会社の乗り換えは、手続きそのものは難しくありません。新しい会社に申し込んで、審査を受けて、買い取ってもらうだけです。それでも乗り換えでつまずく方がいるのは、手順の前に確認しておくべきことを飛ばしてしまうからなんです。
「解約の条件を読まずに切ろうとした」「進行中の取引を整理しないまま別の会社に出してしまった」「同じ売掛金を、うっかり二重に売りかけた」——こういったつまずきは、申し込む前のチェックでほとんど防げます。
この記事は、乗り換えの“手順”ではなく“確認すること”にしぼったチェックリストです。実際の手順はファクタリング会社の乗り換え・見直しガイドにまとめてありますので、この記事は印刷して横に置き、ひとつずつ消していく使い方を思い浮かべて書いています。
先に結論:乗り換える前に確認したいのは①今の契約の解約条件、②進行中の取引の整理、③二重譲渡を避けること、④乗り換え先の比べ方、⑤書類の準備、⑥乗り換えたあとの手続き——この6つです。順番に確認していけば、乗り換えの失敗はほぼ防げます。
乗り換え前チェックリスト(印刷して横に置く用)
まずは全体像を一覧でお見せします。各項目の詳しい補足は、このあと順に解説します。
| # | 確認項目 | 確認できたら✓ |
|---|---|---|
| ① | 現契約の解約条件・違約金・最低利用期間の有無を契約書で確認した | □ |
| ② | 進行中・未回収の取引(譲渡済み売掛金)を棚卸しした | □ |
| ③ | 新業者に出すのは「未譲渡の別の売掛金」だと確認した(二重譲渡をしない) | □ |
| ④ | 乗り換え先を手数料総額・入金スピード・対応・通過率で比較した | □ |
| ⑤ | 申込に必要な書類(請求書・通帳・本人確認・決算書など)を揃えた | □ |
| ⑥ | 乗り換え後にやること(旧業者への連絡・登記の整理)を把握した | □ |
① 現契約の解約条件・違約金・最低利用期間を確認する
最初に確認するのは、今の契約を、どう終わらせられるかです。
ファクタリングは原則として、売掛債権の「買取(売買)」です。毎回その都度の単発の取引なので、ふつうは乗り換えに違約金はかかりません。ただし、気をつけたいのが次のようなケースです。
- 基本契約・継続契約を結んでいる場合:一定期間の継続利用や、専属(他社を使わないこと)を定めていることがあります。
- 最低利用期間が決まっている場合:その期間内に解約すると、条件がつくことがあります。
- 解約の伝え方が決まっている場合:書面での通知や、事前の連絡が必要なことがあります。
② 進行中・未回収の取引を棚卸しする
すでに今の業者へ譲り渡した売掛金は、その回収が終わるまで、今の業者との関係が残ります。2社間ファクタリング(売掛先に知らせずに進める方式)の場合、売掛先からの入金を受け取って、今の業者へ支払う(送金する)義務が残っていることが多いんです。
乗り換えるからといって、この進行中の取引を放っておいてはいけません。次のことを整理しておきましょう。
- どの請求書を、どの会社に、いつ譲り渡したか
- それぞれの取引の入金予定日・送金予定日
- 自分に残っている、支払い・送金の義務

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③ 二重譲渡を絶対に避ける段取り
乗り換えでいちばん重大なミスが、二重譲渡です。これは、同じ売掛金を、複数のファクタリング会社に重ねて売ってしまうことをいいます。
二重譲渡ははっきりとした契約違反で、債権譲渡登記との照合などで見つかります。見つかれば契約の解除や買戻し請求につながり、悪質と判断されれば法的な責任を問われることもあります。乗り換えそのものは何も問題ありませんが、「同じ売掛金を二度売る」ことだけは、絶対にやってはいけません。
避け方はかんたんです。
「乗り換え=今の取引をそっくり別の会社へ移す」ではありません。まだ譲り渡していない別の売掛金を、新しい会社に出す——この区別がついていれば、二重譲渡は起こりません。
④ 乗り換え先を「4つの軸」で比較する
乗り換え先は、表に出ている手数料%だけで選ぶと、失敗しやすいです。次の4つの軸で、総合的に比べてみてください。
| 比較軸 | 見るポイント |
|---|---|
| 手数料の総額 | 表面%だけでなく、事務手数料・登記費用・出張費などの諸費用込みの実質コスト |
| 入金スピード | 申込から入金までの最短日数。即日対応の可否 |
| 担当者の対応 | 連絡の早さ、説明の丁寧さ、無理な勧誘がないか |
| 審査通過率 | 自分の売掛先・規模で通りやすいか |
今お使いの会社を起点に、手数料・入金スピード・審査通過率を他社と並べて確認できる乗り換え比較ツールをご用意しています。まずは、複数の会社を同じ条件で比べることから始めてみてください。
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⑤ 申込に必要な書類を揃える
乗り換え先の審査をスムーズに通すために、書類は前もって揃えておきましょう。一般的に求められるのは、次のとおりです(会社によって変わります)。
- 譲渡する売掛金の請求書・発注書・契約書など(取引の実在を示すもの)
- 入金実績がわかる通帳(取引明細)
- 本人確認書類(代表者の身分証)
- 決算書・確定申告書(直近1〜2期分を求められることが多い)
- 場合により納税証明書や売掛先との基本契約書
⑥ 乗り換え後にやること
新しい会社に買い取ってもらえたら、それで終わりではありません。乗り換えたあとの整理も、忘れないでください。
- 旧業者への対応:進行中の取引(②で棚卸しした分)の送金・回収を、最後までやり切ります。継続契約があれば、契約書に書かれた方法で解約の連絡をします。
- 登記の確認:債権譲渡登記(売掛債権を譲り渡した事実を法務局に登記する手続き)をしていた取引は、回収が終わったあとの登記の扱い(抹消が要るかどうかなど)を確認します。
- 次回からの運用:新しい業者での2回目以降は、手数料が下がることもあります。続けて実績を積みながら、ときどき相場と見くらべて、見直していきましょう。
よくある乗り換えの失敗
- 解約の条件を読まずに切ろうとした:基本契約や最低利用期間を見落として、トラブルになります。→①で防げます。
- 進行中の取引を整理しないまま乗り換えた:旧業者への送金の義務が残っているのに、別の会社にばかり気を取られてしまいます。→②で防げます。
- 同じ売掛金を二重に出しかけた:いちばん重大な契約違反です。→③で防げます。
- 手数料%だけで決めた:諸費用込みの総額やスピードを見ないと、結局は割高になります。→④で防げます。
まとめ——チェックリストを横に置いて、順番に潰す
- 乗り換える前に確認するのは①解約の条件、②進行中の取引の整理、③二重譲渡を避けること、④比べ方、⑤書類、⑥乗り換えたあと——の6項目です。
- 二重譲渡(同じ売掛金を複数社へ売ること)は契約違反です。新しい業者には、まだ譲り渡していない別の売掛金を出してください。
- 乗り換え先は、手数料の総額・入金スピード・対応・通過率の4つの軸で、同じ条件の相見積もりを取って比べましょう。
- すべてに✓がつくまで、今の契約は切らないでください。


