
ファクタリングとは?仕組み・種類・手数料をわかりやすく解説
公開 2026-03-08更新 2026-07-08ろい
ファクタリングとは売掛金を売却して支払期日前に資金化するサービスです。2社間・3社間の仕組み、買取型と保証型の種類、手数料相場、審査基準、利用の流れまで、30社以上使った経営者が実データで解説します。
この記事の執筆者
1979年生まれ。東京を拠点に事業を経営。30社以上のファクタリング利用経験を持つ。FP・宅建士・行政書士。
「ファクタリング比較ラボ」主宰。事業者目線で、ファクタリングの活用法や選び方を発信しています。

著書『ファクタリングのトリセツ』(Amazon)
この記事を読んでほしい方:売掛金(取引先からあとで受け取るお金)はあるのに、銀行の融資が間に合わない・通りにくい——そんな中小企業や個人事業主の方に向けて書いています。「ファクタリングを初めて使う」「前に使ったけれど、あの手数料は高すぎなかったかな…」という方を思い浮かべています。
はじめまして、ろい(1979年生まれ)です。東京で事業をやりながら、創業のころから今まで、30社以上のファクタリング会社を実際に使ってきました。FP・宅建士・行政書士の資格を持っています。創業2年目に銀行から融資を断られた苦い経験がきっかけで、ファクタリングとは長い付き合いです。この記事は、その実体験と、ファクット編集部がまとめた掲載各社の公開データの両方をもとにしています。

ファクタリングとは
ファクタリングとは、売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却して、支払期日より前に資金化するサービスです。 お金を借りるわけではありません。だから返す義務もなく、決算書に借金として載ることもありません。
たとえば100万円の請求書を、手数料10%でファクタリング会社に売ったとします。すると翌日には90万円が振り込まれます。来月末に売掛先(お金を払ってくれる取引先)から入る100万円は、2社間なら自分の口座を通して、3社間なら直接ファクタリング会社へ渡ります。流れはこれだけです。
売掛金が発生
取引先(売掛先)に商品・サービスを提供し、請求書を発行します。
売掛債権を売却
その請求書(売掛債権)をファクタリング会社に売却を申し込み、審査を受けます。
買取代金を受取
手数料を差し引いた代金が入金されます(最短即日)。ここで資金化が完了します。
期日に精算
支払期日に取引先から入金された売掛金を、あなたがファクタリング会社へ支払います。
2者間ファクタリングでは、取引先(売掛先)への通知なしで資金化できます。3者間では②の段階で取引先の承諾を得る代わりに、手数料が安くなります。
「借金じゃない」というのは、具体的には次の3つを指しています。
- 信用情報に載らない(CIC・JICCなどに記録が残りません)
- 決算書に借金として計上されない(これを「オフバランス」と呼びます)
- 売掛先が倒産しても、返す義務がない(ノンリコースの場合)
用語メモ
- ノンリコース/償還請求権なし:売掛先が払えなくても、あなたが肩代わり(買い戻し)しなくてよい契約のこと。
- オフバランス:決算書に借金として載らないこと。借入と違って、財務の見え方を悪くしません。
- 債権譲渡登記:売掛債権を譲り渡した事実を法務局に登記する手続き。2社間で求められることがあり、費用がかかります。
法律のうえでは、ファクタリングは民法の債権譲渡(第466条)と売買(第555条)にもとづく取引で、金融庁も「事業者の資金調達の一手段」と位置づけています(出典:金融庁)。
ファクタリングの仕組み:2社間と3社間
ファクタリングの仕組みは、契約に関わる会社の数で 「2社間」と「3社間」 の2つに分かれます。どちらを選ぶかで手数料が約2倍動くので、仕組みの違いはここだけ最初に押さえてください。
いちばんの違いは「取引先に通知するかどうか」。通知なしの2者間は手数料が高め、通知ありの3者間は手数料が安くなります。
2者間ファクタリング
取引先に通知なし3者間ファクタリング
取引先に通知あり手数料の目安はファクット掲載各社の集計(2026-05-16時点)。実際の率は売掛先の信用力・金額・審査結果で変わります。
2社間ファクタリングの仕組み
自社とファクタリング会社の2社だけで完結する方式です。売掛先には通知されません。売掛先からの入金はいったん自社の口座に入り、それをファクタリング会社へ渡します。
- 売掛先に知られずに使える
- 最短即日で資金化できる
- そのぶん手数料は高め(ファクット指数 約11.1%)
- 債権譲渡登記の費用(1.5万〜3万円)を求められることがある
3社間ファクタリングの仕組み
売掛先の承諾を得て、自社・売掛先・ファクタリング会社の3社で行う方式です。支払期日には、売掛先がファクタリング会社へ直接支払います。
- 手数料が安い(ファクット指数 約5.3%)
- ファクタリング会社の回収リスクが低いぶん、審査も通りやすい
- そのかわり売掛先に知られる
- 承諾の手続きに1〜2週間かかる
どちらを選ぶ?:判断は1つの問いで決まる
「今回出す請求書の売掛先に、ファクタリングを使うことを伝えられますか?」
- 伝えられる(売掛先が上場企業・官公庁・大手の子会社など、通知に抵抗がない相手)→ 3社間で5.3%あたりを狙えます。ただし承諾に1〜2週間かかります。
- 伝えられない(取引に響きそう・急いでいる・説明している余裕がない)→ 2社間で11.1%あたり。こちらは最短即日です。
ろい
ここは誤解が多いところ。「安いから3社間」ではなく、売掛先に伝えられるかで決めてください。無理な通知で取引先を失うと、手数料の差より高くつきます。
ファクタリングの種類:買取型と保証型
ファクタリングは、大きく 「買取型」と「保証型」 の2つに分かれます。
- 買取型:売掛金を売却して、期日前に資金化する型。世の中で「ファクタリング」と呼ばれるものの大半はこちらです。
- 保証型:資金化はせず、売掛金が回収不能になったときに保証してもらう型。取引先の倒産に備える保険のような使い方をします。
| 種類 | どんなもの | 手数料の目安 |
|---|---|---|
| 2社間ファクタリング | 売掛先に通知せず、自社と業者の2社で完結。スピード重視 | 指数 約11.1% |
| 3社間ファクタリング | 売掛先の承諾を得て行う。安いが承諾に時間がかかる | 指数 約5.3% |
| 医療ファクタリング | 診療報酬・介護報酬が対象。売掛先が公的機関なので格安 | 0.5〜3% |
| 注文書ファクタリング | 請求書になる前の「受注段階」で資金化。対応会社は限られる | 会社による |
| 保証ファクタリング | 資金化ではなく、売掛金の未回収リスクを保証してもらう型 | 保証料型 |
医療ファクタリングだけは相場が別
医療・介護のファクタリングは、コストの構造がまるで違います。
| 指標 | 一般のファクタリング | 医療ファクタリング |
|---|---|---|
| 売掛先 | 民間企業 | 国保連・支払基金(公的機関) |
| 手数料の目安 | 約11.1% / 5.3% | 0.5〜3% |
| 未回収リスク | ある | ほぼゼロ |
ファクタリングと銀行融資の違い
「借りる」のではなく「売る」——この性質の違いは、比較表にするとはっきりします。
| 項目 | ファクタリング | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 取引の性質 | 売掛金の売買 | 借入 |
| 審査で見るもの | 売掛先の信用力 | 自社の信用力 |
| 資金化スピード | 最短即日〜3営業日 | 2週間〜2ヶ月 |
| コスト | 手数料 2社間 約11.1% / 3社間 約5.3%(ファクット指数・1回ごと) | 年利 1〜3%(継続) |
| 借金として計上 | されない | される |
| 信用情報 | 影響なし | 記録される |
| 返す義務 | なし(ノンリコース) | あり |

無料PDF特典
『ファクタリングのトリセツ』を無料プレゼント
申し込み・入金・返済まで監修者ろいが自ら体験した一次情報。登録不要・その場でダウンロードできます。
PDF形式・約2.2MB/メールアドレスの登録は不要です
ファクタリング手数料の相場:掲載各社の実勢データ
「相場は5〜20%くらい」という大ざっぱな幅だけでは、実際の判断には使えません。ファクットでは掲載各社が公開している条件を集計しているので、この記事の数字もそれを土台にしています。下の表は、集計した時点(2026-05-16)の259社 をもとにした、その時点で固定した数字です。最新の掲載社数や指数は手数料指数のページで確認できます。
| 指標 | 値(2026-05-16時点・母数259社) |
|---|---|
| 集計対象 | 259社 |
| 2社間ファクタリング 指数 | 約 11.1% |
| 3社間ファクタリング 指数 | 約 5.3% |
| 公表手数料 下限の中央値 | 3% |
| 公表手数料 上限の中央値 | 15% |
| 手数料レンジを明示している社の割合 | 約 82% |
| 金額シミュレーションを公開している社の割合 | 約 99% |
| 最短即日〜翌日入金に対応 | 掲載社の約8割(約84%) |
| 個人事業主に対応 | ほぼ全社が対応 |
| オンライン完結に対応 | 大半が対応 |
| 医療ファクタリング指数 | 約 0.5〜3% |
出典:ファクット掲載各社の公開条件をもとに編集部が集計(2026-05-16 時点・母数259社)。手数料の指数・中央値は各社が公表する条件値にもとづく目安で、実際の手数料は売掛先の信用力・調達額・審査結果によって変わります。最新値は手数料指数をご覧ください。
手数料は「売掛先の信用力」で大きく動く
同じ自社・同じ業者でも、売掛先の信用力しだいで手数料は大きく動きます。
| 売掛先 | 2社間で当たりやすい帯(目安) |
|---|---|
| 上場企業 / 官公庁 / 大手の子会社 | 3〜8% |
| 中堅企業 / 業歴10年超 | 8〜12%(目安どおり) |
| 設立3年未満 / 個人経営 / 財務が見えにくい | 12〜18% |
ろい
金額の大きい請求書より、信用力の高い売掛先の請求書を選ぶ。地味ですが、私が30社で学んだいちばん効いた節約術です。
手数料のほかにかかる費用
ファクタリング会社は「手数料は〇%です」と率で提示してきますが、実際に手元に残る金額(受取総額)には、次のような費用が乗ることがあります。
| 費用項目 | 相場感 | かかる場面 |
|---|---|---|
| 事務手数料 | 0円〜数万円 | 業者による |
| 債権譲渡登記費用 | 1.5万〜3万円 | 2社間で求められやすい |
| 印紙代 | 200円〜数千円 | 契約金額による |
| 振込手数料 | 数百円〜千数百円 | 入金のとき |
「この金額のほかに、いっさい費用は発生しないという理解で大丈夫ですか。受取総額はいくらで提示いただけますか」
これをメールなどの文章で残しておくだけで、あとからの追加費用はほぼ防げます。
ファクタリングの審査基準:見られるのは自社より売掛先
ファクタリングにも審査はあります。ただし銀行融資とは見るところが違って、中心になるのは自社の財務ではなく「売掛先の信用力」です。ファクタリング会社にとっての貸し倒れリスクは「売掛先が払うかどうか」だからです。
審査でおもに見られるのは、次の4点です。
だから、自社が赤字でも、税金を滞納していても、審査に通る可能性はあります。実際の通り方と対策は、それぞれ専用の記事にまとめています。
ファクタリングのメリット
よく挙げられるメリットを、実際に使ってきた立場から補足つきで並べます。
- 最短即日で資金化できる:銀行融資の2週間〜2ヶ月に対して、2社間なら当日もありえます
- 赤字・税金滞納中でも使える可能性がある:審査の中心が売掛先だからです
- 借金にならない:信用情報に載らず、決算書もオフバランス。今後の融資審査に響きません
- 担保・保証人がいらない:売掛金そのものが取引の対象だからです
PR
ファクタリングのデメリット
デメリットも同じく、実務目線の補足つきです。
- 手数料が融資の金利より高い:2社間 約11.1%は、年利換算すると相当な水準です
- 売掛金の金額までしか調達できない:請求書がなければ使えません
- 3社間は売掛先に知られる:取引関係への影響を考える必要があります
- 悪質業者が紛れている:見分け方を後述します
ろい
メリットより先に、使わない場面を決めておくのがコツです。ファクタリングは「困ったときの一手」。常用する道具ではありません。
ファクタリングを使わないほうがいい3つの場面
ファクタリングを利用する流れ:申込から入金までの5ステップ
実際の手続きはシンプルです。多くの会社で、流れは次の5ステップです。
ファクタリングの必要書類
一般的に求められるのは、次の3点が基本です。
- 売却する売掛金の請求書
- 入金実績のわかる通帳のコピー(直近数ヶ月分)
- 代表者の本人確認書類
ファクタリング会社の選び方:4つを決めたら、あとは選ぶだけ
会社選びで見るのは、①手数料(手取りで比べる)②入金スピード ③契約方式 ④自分の条件 ⑤安全かの5つ。最初の入り口になるのが、「手数料の幅をきちんと公開していて、金額のシミュレーションも試せるか(=条件を事前に出してくれるか)」です。ここを満たす会社にしぼって、少なくとも3社で手取りを比べれば、初めてでも判断を誤りにくくなります。まずは条件別のランキングから候補を眺めてみてください。
申込前に決めておく4つのチェックリスト
30社以上使ってきて、最初の一社目で結果を分けるのは覚えた知識の量ではありませんでした。本当に効くのは、申し込む前に決めておく4つの数字と選択です。
- [ ] 契約方式:2社間 / 3社間(売掛先に伝えられるかで決める)
- [ ] 出す請求書:いちばん信用力の高い売掛先の(金額)円
- [ ] 受取総額の下限:(金額)円(これを下回ったら使わない)
- [ ] ノンリコース確認:契約書本文の「償還請求権」の項を必ず読む
ろい
最初から全部を覚えようとしなくて大丈夫です。まずはこの4つだけ。ここを先に決めておくと、あとは業者の提示を見分けるだけになります。私も毎回これだけやっています。
悪質業者を見分ける3つのサイン
次の3つのどれかに当てはまる業者は、その場で候補から外してください。
- 契約書を渡さない・控えをくれない——正規の業者で契約書がないことはありえません。
- 手数料に消費税を上乗せしてくる——ファクタリングは非課税取引です。上乗せは制度の誤りか悪質です。
- 「審査なし・誰でもOK」をうたう——審査(売掛先の確認)をしないのは、売買の形を借りた貸し付けの疑いがあります。
ファクタリングに関わる2026年の制度動向:手形見直しと取適法
知っておきたい制度の動きが2つあります。どちらも国レベルの動きで、ファクタリングが「裏ワザ」ではなく、政策の大きな流れの中にある手段だと分かります。
改正下請法(取適法、2026年1月施行)
下請法を改正・改称した「中小受託取引適正化法(取適法)」が2026年1月に施行され、手形などによる支払いの見直しが進んでいます。発注する側に支払いサイトの短縮が求められる流れで、下請けの企業にとっては資金繰りの改善につながります(出典:公正取引委員会・中小企業庁)。
約束手形の段階的な廃止に向けた動き
政府は約束手形をやめていく方針を示していて、手形割引の代わりとして、ファクタリングや電子記録債権(でんさい)への移行が進んでいます(出典:中小企業庁「約束手形の支払サイト短縮・利用廃止に向けた取組」)。
給与ファクタリングは別物:違法性が問題、絶対に手を出さないで
最後にもうひとつだけ。給与ファクタリング(個人のお給料を買い取るサービス)は、この記事で扱っている会社どうしのファクタリングとはまったくの別物で、違法性が問題になっています。
- 金融庁は2020年に、給与ファクタリングは貸金業にあたりうるとして注意を呼びかけました。
- 最高裁判所は2023年(令和5年2月)に、給与ファクタリングは貸金業法・出資法でいう「貸付け」にあたると判断しました。

本記事は、公的機関の公表情報と、ファクット編集部による掲載各社の集計データにもとづいています。
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」(事業者向けファクタリングは「債権の売買」であること、給与ファクタリングが貸金業に該当することを明記。最高裁 令和5年2月20日決定を引用)
- e-Gov法令検索「民法」(売買契約・債権譲渡の根拠条文。第466条・第555条ほか)
- 公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)」(旧・下請代金支払遅延等防止法。2026年1月1日施行の改正・改称)
- 中小企業庁「約束手形等の利用の廃止等に向けた自主行動計画(PDF)」(手形・小切手機能の全面的な電子化に向けた取組)
- ファクタリング各社の手数料・対応条件の集計:ファクット編集部調べ(2026-05-16時点・母数259社)
この記事の根拠と更新について:この記事は、執筆者ろいの実体験(30社以上の利用)と、ファクット編集部が掲載各社の公開条件を集計したデータ(2026-05-16時点・母数259社)にもとづいています。手数料や対応条件は、各社の都合や市況で変わります。契約の前には、必ず各社の最新情報と契約書の原本をご確認ください。この記事は情報提供を目的としたもので、特定の業者の利用をすすめるものではありません。最終更新:2026-07-07。
よくある質問

Qファクタリングとは何ですか?
Q2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いは何ですか?
Qファクタリングは借金や闇金とは違うのですか?
Q手数料の相場はどれくらいですか?
Q赤字や創業まもない事業でもファクタリングは使えますか?
Qファクタリングを使わないほうがいいのはどんな場面ですか?
Qファクタリングは即日で入金されますか?
Qファクタリングの必要書類は何ですか?
まとめ:4つを書き留めて、1社目へ
ここまで読んだら、次の4つを紙かメモに書き留めてみてください。これがそろった状態で1社目に問い合わせれば、もう「入門」は卒業です。
- [ ] 契約方式:2社間 / 3社間
- [ ] 出す請求書:(売掛先名)の(金額)円
- [ ] 受取総額の下限:(金額)円(これを下回ったら使わない)
- [ ] ノンリコース確認:契約書本文の「償還請求権」の項を必ず読む
ろい
あとは1社目に問い合わせるだけ。この4つをメモに書いて、複数社の見積もりを並べれば大丈夫です。応援しています。
30社使ってきて、いちばんお伝えしたいのは、「ファクタリングは知識の量ではなく、申し込む前に決めた数字の正確さで結果が決まる」ということです。この4つを毎回そろえるだけで、積み重なる差は数十万〜数百万円という大きさになります。
---














