赤字決算でも見られるのは『自社』でなく『売掛先』|掲載248社で確かめる赤字企業のファクタリング
赤字決算・債務超過でもファクタリングは利用できる。審査の中心は自社の決算ではなく売掛先の信用力だから。ファクット掲載248社の実勢(個人事業主ほぼ全社・即日対応は約8割・2社間指数11.1%)と、赤字企業が手数料を抑えて使う手順を解説します。
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監修ろいFP・宅地建物取引士・行政書士/ファクタリング比較ラボ主宰
ファクタリングを30社以上利用し、著書『ファクタリングのトリセツ』も出版した実務家が内容を確認しています。
赤字でも資金調達の道は閉ざされるのか?
ファクタリングは赤字かどうかをほとんど問題にしない。審査で最重視されるのは売掛先(取引先)の信用力であり、自社が赤字でも売掛先が信頼できる企業であれば資金調達の道は開いている。
銀行に融資を断られた。理由は「2期連続の赤字」——このとき多くの経営者は「もう借りられるところがない」と思い込む。しかし、ファクタリングは赤字かどうかをほとんど問題にしない。
なぜか。ファクタリングの審査で最も重視されるのは売掛先(取引先)の信用力だからだ。自社が赤字であっても、売掛先が信頼できる企業であれば、資金調達の道はまだ開いている。
「赤字だと無理」は思い込み——掲載248社の実勢で確かめる
ファクタリングは売掛金の売却であって融資ではない。だから審査の中心は自社の決算ではなく売掛先の信用力にある。ファクットが掲載各社の公開条件を集計すると、赤字・債務超過でも入口は広いことがわかる。
| 指標(ファクット掲載248社・2026-05-16時点) | 実勢値 |
|---|---|
| 個人事業主が利用できる会社 | ほぼ全社が対応 |
| 即日入金に対応する会社 | 約8割が対応 |
| 手数料指数 2社間 / 3社間 | 約11.1% / 約5.3% |
| 手数料の下限中央値 / 上限中央値 | 3% / 15% |
出典:ファクット掲載248社の公開条件をもとに集計(2026-05-16時点・β版)。最新値は手数料指数を参照。
注意したいのは、この指数が「売掛先の信用力」を前提にした全体値だということ。赤字企業はこの指数より少し上の帯になりやすいが(後述)、入口そのものは閉じていない。

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赤字企業でもファクタリングが使える理由は何か?
赤字企業でもファクタリングが使える理由は3つだ。審査の中心が「売掛先の信用力」であること、ファクタリングが借入ではなく売掛金の売却であること、そして赤字の内容を一律に否定せず審査する仕組みになっていることだ。
審査で見られるのは「売掛先」であり「自社」ではない
ファクタリングは売掛金の買い取りサービス。ファクタリング会社にとってのリスクは、売掛先が期日通りに支払うかどうかに集中する。だから利用者の決算状況よりも、売掛先の支払い能力が審査の中心になる。
実際の審査項目を比較すると、その違いは歴然だ。
| 審査項目 | ファクタリング | 銀行融資 |
|---|---|---|
| 売掛先の信用力 | 最重視 | 参考程度 |
| 自社の決算内容 | ほぼ影響なし | 最重視 |
| 自社の業歴 | 影響小 | 重視 |
| 担保・保証人 | 不要 | 原則必要 |
| 税金の滞納 | 影響小 | 大きなマイナス |
「借入」ではなく「売掛金の売却」という仕組み
ファクタリングは法的には債権の譲渡(売却)にあたり、借入ではない。つまり負債が増えることはなく、バランスシート(貸借対照表)上も負債として計上されない。
赤字で借入枠がいっぱいの企業でも、売掛金さえあれば資金化が可能だ。銀行の借入残高を気にせず使える——これは赤字企業にとって決定的なメリットになる。
赤字の「中身」を見てくれる
設備投資や新規事業への先行投資による一時的な赤字は、事業としての将来性があると判断される。ファクタリング会社も赤字の内容を一律に否定するわけではなく、売掛先の支払い能力を中心に審査を行います。
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銀行融資が使えない局面でのファクタリングのメリットは何か?
銀行融資が使えない局面でのファクタリングの主なメリットは、最短即日の資金調達・信用情報への影響なし・担保保証人不要・債務超過でも利用可能の4点だ。資金ショートが差し迫った状況ほど、これらのメリットは大きく機能する。
最短即日で資金が手に入る
銀行融資は申し込みから実行まで数週間〜1ヶ月以上かかるのが一般的。ファクタリングは最短即日〜3日程度で入金される。資金ショートの危機が目の前に迫っているとき、このスピード差は事業の命運を分ける。
信用情報に傷がつかない
ファクタリングは融資ではないため、信用情報機関への登録がない。将来的に銀行融資を受けたいと考えている場合でも、ファクタリングの利用が審査に影響することはありません。赤字から脱却した後の融資申し込みにも支障がない。
担保も保証人もいらない
赤字企業が銀行から借入れる場合、担保や保証人を追加で求められることが少なくない。ファクタリングでは売掛金そのものが取引の対象であるため、担保も保証人も不要です。
債務超過の状態でも使える
債務超過では銀行融資はほぼ不可能。しかしファクタリングは債務超過であっても利用可能だ。売掛先の信用力さえ問題なければ、審査を通過できます。
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赤字企業がファクタリングを使う際の注意点は何か?
赤字企業がファクタリングを使う際の主な注意点は、手数料が黒字企業より高めになりやすいこと、毎月全額ファクタリングに頼ると赤字の悪循環を招くこと、2社間と3社間の選択によって取引先への情報漏洩リスクが異なることの3点だ。
手数料は黒字企業より高めになりやすい
掲載248社全体の手数料指数は2社間で約11.1%、3社間で約5.3%(手数料指数、2026-05-16時点)。赤字決算の企業は、黒字企業と比べてこの全体値より上の帯に入りやすい。これはファクタリング会社側のリスク判断によるもので、下表は実務上の目安だ。
| 利用者の状況 | 2社間手数料の目安 | 3社間手数料の目安 |
|---|---|---|
| 黒字・財務良好 | 5%〜12% | 1%〜5% |
| 赤字決算 | 8%〜18% | 2%〜8% |
| 債務超過 | 10%〜20% | 3%〜10% |
| 税金滞納あり | 12%〜20% | 5%〜10% |
「毎月全額ファクタリング」は赤字の悪循環を生む
ファクタリングはあくまで一時的な資金繰り改善策だ。毎月の売上をすべてファクタリングに回していると、手数料分だけ利益が減り続け、赤字がさらに拡大する悪循環に陥ります。
ファクタリングで時間を稼ぎながら、同時に根本対策を進めること。
- 不採算事業の見直しとコスト削減
- 取引条件の支払いサイト短縮の交渉
- 補助金・助成金など返済不要な資金の活用
- 融資条件の改善に向けた経営改善計画の策定
取引先に知られるリスク——2社間と3社間の選択
2社間ファクタリングであれば、売掛先に利用を知られることなく資金調達が可能。一方、3社間ファクタリングは売掛先の承諾が必要になるため、赤字で資金繰りに困っていることが取引先に伝わるリスクがある。
赤字企業が取引先との関係を維持したい場合は、2社間ファクタリングを選択するのが安全です。
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赤字企業がファクタリングを利用するにはどう動けばよいか?
赤字企業がファクタリングを利用する際の手順は5ステップだ。売掛金の棚卸し→複数社への見積もり依頼→必要書類の準備→申し込みと審査→入金後の管理、この順で進めることで、最短当日の資金調達が実現できる。
実際にどう動けばいいか。手順を整理します。
1. 売掛金の棚卸しをする
手元にある売掛金を一覧にし、売掛先の信用力が高いものを選定する。上場企業や官公庁の売掛金があれば、最優先で検討に値する。
2. 最低3社に見積もりを依頼する
手数料・条件は業者によって大きく異なる。比較しなければ、相場より高い手数料を払うことになりかねない。
3. 必要書類を準備する
決算書・請求書・通帳コピー・本人確認書類を揃える。赤字決算書の提出を求められた場合でも、売掛先の信用力が高ければ審査は問題なく通過できます。
4. 申し込みと審査を受ける
オンラインで申し込み、売掛先の信用力を中心に審査が行われる。結果は最短で当日に出る。
5. 入金後の管理を怠らない
入金確認後、売掛先からの回収金をファクタリング会社に支払う。2社間ファクタリングの場合、この支払いを忘れるとトラブルになるため、必ずスケジュール管理を行ってください。
赤字の経営者が、売掛金がある日に確かめる順番
赤字は厳しいが「打つ手がない」わけではない。次の順で確かめれば、過剰なコストを避けられる。
赤字でも、負債は増えず信用情報にも残らない。売掛金があるなら入口は開いている。



